意宇の里 六社めぐり
「意宇」は、古代出雲国の政治・文化の中心地。全ての神社が、出雲国造ゆかりの社。
国引き神話「今は国は引き訖へつ」と詔りたまいて、意宇の杜に、御杖衝き立てて、「意恵(オウェ)」と詔りたまひき、故、意宇と云う。(「出雲風土記」より)
六社めぐり おすすめルート
熊野大社
〒690-2104 島根県松江市八雲町熊野2451
出雲国一の宮 日本火之出初之社(ひのもとひのでぞめのやしろ)
「日本書紀」(659年)に「出雲国造に命じて厳かな神の宮を建てさせた」と記され、「出雲国風土記」(733年)に登場する4大神のうちの1柱「熊野大神」をお祀りする神社です。古くから出雲大社と並んで、出雲国の大社として崇敬されてきました。
熊野大社で最も有名で、特色がよく表れているお祭が毎年10月15日に行われる「鑽火祭」です。
そのなかでも、「亀太夫神事」は出雲大社が納める餅の出来ばえについて苦情を口やかましく言い立てる変わった神事です。その口上は毎年ニュースに取り上げられるほどです。
鑽火祭については こちらから熊野大社のホームページへ
境内の見どころ「鑽火殿」(さんかでん)
熊野大社独自の建物で、屋根は茅葺、壁は檜の皮で覆われ、竹の縁が廻らされており、内には火を熾す神具「燧臼」(ひきりうす)と「燧杵」(ひきりきね)が納められています。
神魂神社
〒690-0033 島根県松江市大庭町563
イザナミの大神を祀る「大庭の大宮さん」
イザナミの大神をお祀りし、出雲国造が716年(霊亀2年)まで当地で自ら御奉仕なさいました。
杵築へ移住後も「国造館」は明治の頃まで鳥居の近くに構えられており、この地にお越しの際にはお使いになっていました。今でも、神火相続式ならびに毎年の新嘗祭には、必ず御参向になります。
地元では「大庭の大宮」とも云い、親しまれています。
御本殿は、現存最古の大社造として国宝となっています
眞名井神社
〒690-0031 島根県松江市山代町84
神名樋野(かんなびぬ)に鎮座する「イザナギさん」
茶臼山(かんなび山)の中腹に鎮座し、「出雲国風土記」などにも記載されている古社で、通称「伊弉諾さん」(いざなぎさん)と言って親しまれています。
中世の室町時代には伊弉冊尊(いざなみのみこと)をお祀りする神魂神社と併せて「両神魂」とも称されていました。
社有地内にある「天の眞名井の滝」は、古くから信仰の対象として崇められ、その神水は出雲国造の火継神事と新嘗祭に用いられます。
境内の見どころ「狛犬」
眞名井神社の狛犬は「出雲構え型」と呼ばれるもので、大庭地内では最も大きくて立派な唐獅子です。
八重垣神社
〒690-0035 島根県松江市佐草町227
縁結びの大神
八重垣神社は、島根県松江市佐草町にあり、出雲風土記にも記載のある全国有数の由緒正しき大社造りの荘厳な本殿を持ちます。近在の出雲神話の古社です。八重垣神社は、古事記の中でもひときわ清々しい輝きを放つ、ヤマタノオロチ退治伝承の主人公である、スサノオノミコト(素盞鳴尊)とイナダヒメノミコト(稲田姫命)を主祭神としています。
六所神社
〒690-0032 島根県松江市大草町496
出雲国の総社
神在祭の内容を記した、現在最古の資料には、「全国の神々はまず六所神社へお集まりになる」と書かれています。
また、小泉八雲(ラフカディオハーン)も出雲五大社の一つとして紹介しています。
境内の見どころ「出雲国造の石碑」(1対)
両国造(北島齋考・千家尊福)の揮毫による「出雲国府総社」の石碑
揖屋神社
699-0101 島根県松江市東出雲町揖屋2229
黄泉がえり神話の聖地
「古事記」「日本書紀」にも記されている、由緒のある神社です。
境内の見どころ「亀の台座(亀趺)を持つ灯篭」
制作年:天保六乙未三月十九日(1835)